
積み上げたものをリセットする
前回、SNSとの付き合い方についてブログを書きましたがその続きです。
私がフリーとして独立したのが2009年で、そこから様々なご縁でたくさんの素晴らしい方々とお仕事させていただきました。
今から10年も前、今のようにSNSは圧倒的存在でなく、スマホも一部の人が使い始めたかな、という時代です。
フリーランスという言葉もあまり目立たない頃。
ある時、テレビで情熱大陸を見ていたら、ある女性が取り上げられていました。
ノマドワーカーの先駆者、安藤美冬さんです。
SNSの情報発信を駆使して、「職業は安藤美冬」というキャッチコピーのもと、営業スタイルから仕事の場所・時間を選ばず自由に働く。
当時、すごい人だ!と大変感銘を受け、何度もその映像を見ました。
その後、安藤さんは飛ぶ鳥を落とす勢いでどんどんメディアに露出し、雑誌やネット記事に取り上げられました。
Facebook、Twitter、Instagram、SNSでのフォロワーが瞬く間に増え、書籍やプロデュースした商品やイベントなど、Twitterのタイムラインでどんどん情報が流れてくる。
まさに、今のSNS情報発信営業スタイルを築いた日本の第一人者だと思います。
私も当時から安藤さんのファンでした。
安藤さんの記事や本はどれも読みましたし、同世代として先陣をきる姿がまぶしく、また勇気ももらっていたと思います。
とくにPCひとつで世界中を飛び回りながら仕事をするスタイルにとても感銘を受けました。
ところが、2017年頃、安藤さんが「SNSをやめてみようと思う」というようなことをちらほら呟きはじめました。
「Twitterもしばらく見ないようにしてみます。」
「Facebookを最終的に閉じたい。」
というようなことです。
こんなに、SNSで絶対的な影響力をもった安藤さんが、そんなことできるのか?という気持ちとともに、私は「とても共感する」と感じていました。
すでに、SNSは営業にはかかせないツールとなり、人々はこぞってSNS情報発信をしていました。
フォロワーが多い、インフルエンサーと呼ばれることこそが絶対だというマーケティングの世界。
日々流れてくる情報に、どんどん意識は外側へ向き、「誰かがこうしている、あの人がどうだ」と人ばかりを見て、自分自身をおいてけぼりにするような感覚。
全てではないですが、中には、「いいね」が多くついて、フォロワーさえ多ければ、善良なサービスだと勘違いさせるような小手先のセルフブランディングや、マーケティングテクニックもあります。
SNSはサービスを認知させる手段なのに、SNSでとりあえず発信することこそが目的になっているサービスもあったり。
私自身もそのような業界のやり方にWEBを扱う職種の一人として疑問を感じていたからです。
そんな中、安藤さんの発信がどんどんなくなり、ある時、ピタッと止まりました。
2週間、1ヶ月、3ヶ月、半年たっても発信はなく、いつも心のどこかで気にしていた安藤さんのアカウントは、気がついたらいつのまにか削除されていました。
それから1年たち、1年半たち、たまにふと思い出し、「安藤さんはどうしているのだろう」とネットで検索してみても、情報はほとんど出てきません。
唯一、2019年に毎年出版していた安藤さんプロデュースのオリジナル手帳「20代のうちにやりたいこと手帳」を見つけた時、とても安心したような感覚だったのを覚えています。
もしかして体調を崩されたのかな、とか海外を拠点にしてもう日本では仕事をしないのかも、など色々なことを思いました。
ところが、つい最近、安藤さんが復帰されていることを知りました。
偶然たまたまネット記事を見つけたのです。
【安藤美冬さん「人のことは気にしすぎないで、もっと自分に矢印を向けて」】
https://telling.asahi.com/article/12306627
読んでみると、「ああやっぱりな」と思うと同時に、改めてかっこいいと感じました。
あれだけ、SNSを主軸に仕事を展開していると思ったのに、きっぱりとアカウント削除し、一人になる時間を持っていたと。
私の思い描く仕事のスタイルとぴったり当てはまるのです。
誰にも囚われず、どこにも属さず、自分のもっている能力でクライアントと同等の立場でギブアンドテイクをしながら仕事をしていく。
最高のサービスを提供する。
私は仕事でもプライベートでも、どんなコミュニティにも属さないでいます。
どんなに素晴らしいものでも、ひとつの見方、考え方に偏ってしまうことを避けていて、いつでもフラットに、全てにおいてバランスを大切にしていたいと思うからです。
そうやって得た様々な情報やツールを友人・知人も含め、様々な角度からより良い形で提供したいと思うからです。
この情報過多の時代には、人々は望むと望まざるとに関わらず、外に外に意識が向かいますね。一つ情報をみたら次、それをみたらまた次へと。
いつも自分の内側を置き去りにしていないかと心のどこかにぽっかり空いた空洞を感じ、1日が終わっていく。
そうすると、本物のサービスからかけ離れていくと思うんです。
いつも自分以外の周りの人と何かを比べ、”足りない”感覚になっていく。
そうではなく、自分を徹底的に磨き上げ、もっている最大のサービスを提供してお客様に喜んでいただく。そしてまたこの人に頼みたいと思っていただく。
そんな私の思い描く理想の仕事の仕方を改めて認識する安藤さんの記事でした。
また、ビジネスにおいて、SNSはあくまでも自由なサービス認知のためのツールです。
いつでもアカウントを閉じていいし、リセットしてもいい。
自然の新陳代謝と同じく、脱皮してもいいと思うんです。
自分の中で、淀まないことだと思います。
インフルエンサーだからと言って、続けなくてはならないということはないと思うんです。そのことをSNSノマドワーカーの先駆者である安藤さんが体現していて、ほんとうにさっぱりとした爽やかな感動がありました。
最近、あたらしくブログや音声メディアをスタートされたとのことでとても楽しみです。
本当に良質な情報を見極めて、情報は選りすぐって得る。
そして惑わされず、とらわれない。
際限ある時間だからこそ、良い情報を見極める。
2020年、コロナショックと共に時代の転換期を迎え、私たちは改めて「自分にとって大切な物は何か?」に気が付くきっかけを目の前に差し出されました。
人はかならずいつか人生を終えます。
有限の人生をどのように生きるか、自分に嘘なく生きるか?
先日、安藤さんのブログを拝読していたら、とても好きなフレーズがありました。
メディアなどでは、コロナ禍という言葉がネガティブな表現で言い表されているけど、安藤さんは「コロナチャレンジ、コロナチャンスと言い換えてみる」と。
https://ameblo.jp/miffy-andomifuyu/entry-12598375141.html
この言葉こそが今の全て。
私もできることから行動していきます。
そして、私のSNSアカウント、5月いっぱいで一度閉じることにしました。
もともと個人アカウントで関心あるフォロワーの投稿を見るため気軽に始めたものでしたが、時間の流れと共に、ビジネスアカウントとしても使用し、とても中途半端でどこか心の片隅でいつも違和感を感じていたからです。
一度、リセットしてしばらく休息し、新しくはじめようと思います!
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